お気に入りアルバム(ヴォーカル・その他楽器編)

チェット・ベイカー・シングス/チェット・ベイカー (Pacific 1954年)
  チェット・ベイカー(vo,tp)ラス・フリーマン(p)カースン・スミス(b)ジェームス・ボンド(b)ピーター・リットルマン(ds)ローレンス・マラブル(ds)ボブ・ニール(ds)

 ウエストコースト・ジャズの名門、パシフィック・レコードの不朽の名盤です。
 トランペットでは当時、マイルス・ディビスと人気を2分したというチェット・ベイカーのヴォーカルアルバム。このアルバムさえ出さなければチェットの人生はもっと長く、晴れやかだったのでは?と思いつつ、複雑な心境になってしまいます。
 「クール」を通り越して力を消したとも言えるヴォーカル・スタイルでありながら、50年経とうとする現在でも心に染み渡るのは、チェットの晩年と、このアルバム発表時期の溌剌とした印象との対比に人生のはかなさを思うからなのか・
・・。


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アン・イブニング・ウィズ・アニタ・オデイ/アニタ・オデイ (Verve 1954年)
[T]アニタ・オデイ(vo)アーノルド・ロス(p)バーニー・ケッセル(g)モンティ・バドウィッグ(b)ジャッキー・マイルス(ds)
[U]アニタ・オデイ(vo)バド・ァヴィン(p)モンティ・バドウィッグ(b)ジョン・プール(ds)
[V]アニタ・オデイ(vo)ジミー・ロウルズ(p)タル・ファーロウ(g)リロイ・ビネガー(b)ラリー・バンカー(ds)


 アニタ・オデイと言えば、器楽的なフレージングで唄う、インプロバイザーとしての評価が高いのですが、このアルバムはどちらかと言えば女の情念で唄っている感じ。腕利きプレイヤーをバックに姐御肌で堂々とした雰囲気で、かつ語り口調のように深々と唄っている。
 夜、寝る直前のひと時、ウイスキーとかを片手に書斎のステレオで聴いたりすると染みそうですね。


トゥーツ・シールマンス・アンド・ケニー・ワーナー・この素晴らしき世界/トゥーツ・シールマンス
   トゥーツ・シールマンス(hrm) ケニー・ワーナー(p,keyboards)          (Emarcy 2001年)

クロマチック・ハープの巨匠・トゥーツ・シールマンスと、知る人ぞ知るベテランピアニスト・ケニー・ワーナーのデュオアルバム。ジャズのスタンダードが中心ですが、究極の美の世界を創り出してます。「ユー・マスト・ビリーブ・イン・スプリング」での激情は堪りません!
 全体的に哀愁に満ちた感じなので中盤は哀しい気持ちをそそられますが、ディズニー・メドレーからサッチモの「ホワット・ア・ワンダフル・ワールド」で締めくくる終盤で生きる希望を与えてくれます。
 私も落ち込んだ時に心の薬として聴いています。